没後80年 小原古邨 - 鳥たちの楽園

たまたま X(旧Twitter)で作品を見てこんな細い線が木版画なのか?と驚きこんな浮世絵は見たことがなく実際に見たくなり太田記念美術館へいってきました。

小原古邨(おはらこそん)は明治末から昭和前期に活躍した花鳥画の絵師とのこと。古邨の作品は主に海外に向けて販売されていたため、日本で現存している点数はそれほど多くなく、江戸時代から続く浮世絵版画の歴史の最末端に位置しているため、日本の浮世絵研究者たちもほとんど注目することがなかったとのこと。しかし古邨の花鳥画は欧米コレクターたちの心を掴み、美術館での展覧会の開催やカタログレゾネの作成や書籍の刊行など着実な研究が積み重ねられていて、ようやく近年日本でも少しずつ話題になってきたとのこと。調べてみたときあまりの情報がなく驚きましたが、「日本絵画協会主催の共進会展では竹内栖鳳、上村松園らと並んで出品。」という記事を見つけ、猫の絵で見にいった竹内栖鳳と同じ時代の絵師なのかと思いました。浮世絵は本当は肉筆なのではないのかというくらい線は細くて細かく、色も筆で描いたようなグラデーションで、でもよくみると摺った跡がくっきりあり、あまりにもすごくて1枚1枚ため息がでました。古邨の花鳥画の先駆けとなる葛飾北斎や歌川広重、渡辺省亭などの江戸から明治にかけて活躍した絵師たちによる花鳥画もあり、なんと X(旧Twitter)で見ましたのは渡辺省亭の絵でした。古邨の作品よりもさらに細くて細かい線の木版画で描かれているとのことで実際見てみるとこの絵もすごくて圧倒されました。でもこれをきっかけに小原古邨に興味を持ち見る事ができたので良かったです。会期は5月25日日曜日までやっています。興味がありましたら是非。

スタイリスト山邉