鰭崎英朋展 浮世絵最後の美人画
今回は特に気にしていなかったのですが、X(旧Twitter)での浮世絵の紹介を見たら以前見た豊原国周の時代よりも木版の技術に目を見張るものがあり、やはり本物をみたくて太田記念美術館へ行ってきました。

鰭崎英朋(ひれざき えいほう)は明治後期から昭和にかけて活躍した絵師で浮世絵師・月岡芳年の門人である右田年英に入門し、小説の単行本や文芸雑誌の口絵や表紙、挿絵を描き、明治末から大正にかけて文学界を彩った英朋の妖艶な美人画は広く大衆の心をつかんだとのこと。絵は歴史の終わりを迎えようとする浮世絵版画(木版画)と徐々に技術が進化していく石版画やオフセット印刷によって制作されたものがありました。木版画は髪の毛やまつ毛の細かさがすごく繊細で綺麗で、ここまでの木版画も終わりを迎えたのかと思うと涙が出そうになりました。しかし石版画はこれはこれで艶がさらに感じられ版画の時代の変わりをみることができて良かったなと思いました。鰭崎英朋の描く美人画の女性達は独特な感じですが、スケッチや下絵をみるととてもうまく、肉筆画の「上杉謙信」は同じ人が描いているのかなと思うぐらい違くて驚きました。会期は前期は6月25日水曜日まで、後期は6月28日土曜日から7月21日月曜日までやっているみたいなので、後期も行ってみようかなと思いました。興味がありましたら是非。
スタイリスト山邉