不思議な生き物

最近気になる生物、カタツムリの一種オカモノアラガイに中間宿主として寄生するロイコクロリディウムです。今回なんと目黒寄生虫館にてロイコクロリジウム(Leucochloridium属の吸虫)の幼虫が、沖縄県・久米島で採集され、特別展では生きた幼虫の展示が開催されているとのことで行ってきました。

ロイコクロリディウムは最終宿主の鳥の中で成虫になり卵を産みます。卵はふんと一緒に排泄され、そのふんを食べた中間宿主のカタツムリに寄生し幼虫になります。幼虫は寄生したカタツムリの中でブラッドサックと呼ばれる袋みたいな筒のような物を作りそれが動いて目の中に入りイモムシの様に見せます。カタツムリは暗い場所から明るい場所に行くようになり最終宿主の鳥に食べられます。これがロイコクロリディウムの一生です。一般にいわれる寄生虫は中間宿主にこっそり隠れて、最終宿主はそれに気づかず食べることが多いそうですが、ロイコクロリディウムは最終宿主に食べられるよう、積極的に中間宿主を餌に似せるところに特徴があるそうです。旭川医科大学を中心とした研究グループにより日本には三種発見されたそうです。種によりブラッドサックの模様が違い面白いなと思いました。調べていてびっくりしたのは寄生された宿主が痛々しく思えていましたがそうでもないらしいこと。今回のカタツムリは神経や筋肉を傷つけることなく共存し、最終宿主の鳥も成虫に寄生されていてもなんの害もないとのこと。展示されていたカタツムリもキャベツを食べ普通に過ごしていました。寄生虫は知れば知るほど面白い世界で「寄生蟲図鑑」も購入しましたのでさらに寄生虫の世界にどっぷりハマってみたいと思っています。ロイコクロリディウムの生体特別展示は2021年6月24日~終了日未定だそうです。興味がありましたら。

スタイリスト山邉