宿り木

今年で4回目を迎えましたヤドリギ、今回は日本でも珍しいアカミヤドリギです。

ヨーロッパでは冬のシーズンには各家の玄関にはヤドリギが吊され、その下を通ることは魔除けとも招福とも受け取られて、「クリスマスの植物」の代表である樅の木のクリスマスツリーや柊のリースにも負けない程のクリスマスと密接に結びついた植物です。日本でも冬の間にも鮮やかな緑色なので、万葉の人々は強い生命力を感じ万葉集で歌われるほど聖性を持つめでたいものとしたようです。ヤドリギを調べていたら花言葉が「困難に打ち克つ」、「忍耐」ださうです。厳しい冬に緑を保っているヤドリギにそう感じたのかと思っていましたが、ギリシャ神話が元となっているそうです。そのギリシャ神話は、ミノス王の息子であるグラコウス王子は事故で死んでしまい、ミノス王の命を受けて占い師は王子の墓に閉じ込められて王子を生き返らせなければならなくなってしまいました。占い師にはさらに困難が降りかかり、墓の中のヘビが襲い掛かってきて何とかそのヘビを仕留めると仲間のヘビが草をくわえて現れ、死んだヘビの体を草で擦りました。すると死んだヘビは生き返り、そのようすを見ていた占い師は、ヘビが使った草で王子を生き返らせ、無事に墓から出してもらうことに成功したという話です。この死者を生き返らせる草がヤドリギであったとのこと。この話から「困難に打ち克つ」という花言葉が与えられたそうです。ヤドリギの薬としての効力は古代ギリシャのヒポクラテスの時代からすでに医者たちに知られていたともいいますし、生命力の象徴と捉えられていた由来はこのことからもあるかもしれないですね。今回も調べてみて面白い植物だなとおもいました。アカミヤドリギは最初にも書きましたが珍しいヤドリギです。是非お店に見に来てください。

スタイリスト山邉