江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし展

太田記念美術館で開催されている「江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし展」へ猫好きの自分はすぐさま行って来ました。

ほとんどが歌川国芳の浮世絵作品で去年港区立郷土史館で開催された「Life with ネコ展」でも見た作品もありましたが、見たことがない面白い作品がありました。「荷宝倉壁のむだ書(黄腰壁)」国芳が数多く描いた、役者似顔を用いた戯画の中でも傑作の一つに数えられている作品で、版画をあえてラフなスケッチ風に仕上げるという浮世絵は落書きのようで、中央に描かれた手ぬぐいをかぶる面白い猫は、去年浮世絵体験をした猫又だと思いますが、描かれている役者さん達から市村座「尾上梅寿一代噺(おのうえきくごろういちだいばなし)」に登場した踊る猫とのこと。猫ですが、なんか赤塚不二夫のうなぎ犬のようなニャロメみたいだなと笑ってしまいました。

歌川広重の猫といったら「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」有名ですが、広重の猫の絵で「浮世絵画譜」三編に掲載されている一図に二十四匹の猫がさまざまなポーズで描かれている絵があります。

幕末から明治時代初期にかけて活躍した戯作者であり新聞記者の仮名垣魯文は、自分を「猫々道人」と名乗り、「魯」字を猫顔に見立てるほどの猫好きで、自身が編集する雑誌「露文珍報」8.9号に「百猫画譜(がくふみょうがふ)」と題する画文集を綴り合わせたものの中に初代広重も猫好きで数匹の猫を飼いスケッチされてきた猫の絵を、三代広重の手によって写され、多くの人の猫に関わる文章を添えようとした特集号に掲載された猫の絵だったとのこと。写真で載せている二十四匹の猫ばかりではなく様々な猫が描かれた猫画集だったようです。昔ブログでも紹介させていただいたオッドアイの猫が先月虹の橋を渡っていきました。猫愛溢れる浮世絵をみて少し癒されました。今回も前期後期と分けて展示されるようです。国芳の珍しいラフなスケッチの版画は、前期4月25日火曜日までです。興味がありましたら是非見に行ってみてください。

スタイリスト山邉