「さすが!北斎 やるな!!国芳」浮世絵のマテリアリティ

去年から浮世絵にはまり、太田記念美術館の企画が面白く良く通っているうちに浮世絵展示の情報が入ってくるようになりました。その中で「さすが!北斎 やるな!!国芳浮世絵のマテリアリティ」と面白そうな題名の展示があったので、慶應義塾ミュージアム・コモンズという大学の美術館に見に行ってきました。

慶應義塾大学が所蔵する高橋誠一郎浮世絵コレクションの公開普及事業の一環として、その膨大なコレクションの中から今回は幕末期の北斎と国芳の作品に焦点をあてて、展示されているとのこと。作品は葛飾北斎の超現実的でユニークな造形世界、歌川国芳の江戸っ子に愛されたおもしろ絵画世界、どちらが好き?北斎VS国芳浮世の絵ぢから比べ、絵師の筆ぢから新出の画稿・下絵資料群を大公開と4構成で展示されていて、最近は北斎と国芳と言っても動物の浮世絵ばかり見てきたので、風景画は久々で新鮮に感じ、やはり北斎の「富嶽三十六景」の絵の構成の美しさに見入ってしまいました。国芳は北斎とは違って人間味が滲み出ている感じがあって、風景画でも人に目がいってしまう違った魅力を感じる絵だなぁとそれが愛されたのかなと思いながら、猫の絵にはない国芳の魅力を感じられました。

今回の展示のカタログで、研究されている教授が書かれているのですが、北斎は勝川春章が率いる勝川派で修業を積んだのちに独立以後、さまざまな絵画様式を学び、葛飾派(北斎派)と呼ばれる一大絵師集団を作り上げ、一方、国芳は、北斎の師・春章と同時代に活躍した絵師・歌川豊春の孫弟子で、自身の師である歌川豊国や、同じ派閥の歌川広重は、ともに北斎のライバルでありましたが、国芳本人は北斎を慕って近づいたともされ、北斎は結局、師系の配慮から、国芳と親密な関係を結ぶことを拒んだとも伝えられているそうです。今まで浮世絵を見てきて国芳が北斎を慕っていたなんて知らなかったので、今回見に行ってまた新しいことが色々知れてよかったと思いました。無料で公開されていて、会期は浮世絵の配慮から前期と後期にわかれているようです。前期は6月13日火曜日まで、後期は6月15日木曜日から7月15日土曜日までやっているとのこと。臨時休館もあるようですので、行く時はホームページを確認してみてください。興味がありましたら是非。

スタイリスト山邉