北斎 サムライ 画伝
ちょうど忠臣蔵の討ち入りの日からやっていて見に行きたいと思いつつ1ヶ月経ってしまったのですが、やっと「北斎 サムライ 画伝」を見にすみだ北斎美術館へ行ってきました。
年末に江戸時代はなぜ260年も続いたのかというテレビ番組で、江戸時代初期はまだ戦国の名残が強かったため、三代将軍徳川家光の時代島原の乱(島原・天草一揆)をきっかけに徳川幕府は平和に舵をきっていったというのを見ました。江戸時代のサムライは、武力として期待されることが少なくなり、幕府や藩の政治を担う存在として重視されるようになっていったとのこと。刀の展示もあり、去年見た鎌倉時代のもの凄く鋭利で輝きがあった刀より、江戸時代に一世を風靡したといわれる濤瀾乱れ(とうらんみだれ)という日本史上初めて絵画的ともいえる押し寄せる波のような形状をした刃文の刀が出てきたりと芸術寄りになっていく時代の移り変わりに刀も変化していったことに驚きました。北斎の息子(次男)は養子となりサムライになったとのことや、北斎の母方の曾祖父が赤穂浪士の討ち入りで倒れた吉良上野介の家臣、小林平八郎と伝わっていて北斎にとってサムライは身近な存在だったようです。新版浮絵忠臣蔵 第十段目」には中央に小林平八郎と思われる人物が大きく描かれていていました。もしかしたら親戚かもしれない小林さんを主人公のように描いてあるのが面白いなと思いました。「忠臣蔵討入」は北斎にしては珍しい三枚続の錦絵だそうで、ふんどし一枚のサムライがいたり、逃げているのかわからない女性たちがいたり、笑っているようにみえる顔の表情など破茶滅茶な感じの忠臣蔵が見れて良かったです。北斎は結構見てきて、なんだかわかった気になっていましたが、まだまだ見てないもの、わかってないことがたくさんあるんだなと思いました。会期は2月25日日曜日までやっています。興味がありましたら是非。
スタイリスト山邉