宿り木

今年もお花屋さんのVALENCA(バレンシア)さんから宿り木が届きました。

宿り木は毎年解説していますが木に寄生する植物です。主な宿主樹木は主にエノキやケヤキなどの落葉広葉樹に寄生します。毎年長野県から届けられるCirqueの宿り木は宿主樹木はサクラや白樺でしたが今回は「コナシ」にできた宿り木がやってきました。梨も小さすぎると赤い実になるのかと思っていましたが、調べてみると「コナシ」はいくつかある和名の呼称のひとつで、よく言われる名前は和名で酸実(ズミ)というそうです。和名「ズミ」の語源は、樹皮を水に漬けて置くと水が黄色くなるので染料となることから「染ずみ」、あるいは、実が酸っぱいことから「酢実」ともよばれるとのこと。

酸実はバラ科リンゴ属の1種でリンゴに近縁な野生種だそうです。カイドウ、リンゴ(リンゴ属)、ナシ(同科ナシ属)に似ることから、ヒメカイドウ、ミツバカイドウ、ミヤマカイドウ、コリンゴ、コナシ、サナシなどとも呼称され、これら別名は、花をナシに、赤い実をリンゴなどに例えたものが多いそうです。だから赤い実なんだなと思いました。冷涼な気候を好み高原に生えていて、実際リンゴの接木の台木に利用され、ズミのよく育つ地域はリンゴ栽培に適しているといわれているそうです。今回の宿主樹木の「コナシ」は南信州木曽町開田高原からやって来ました。開田高原もリンゴの産地です。「コナシ」は落葉広葉樹ではありますが宿り木ができるのは珍しいとのこと。毎年迫力のある宿り木達でしたが今回もとても大きく迫力のある宿り木となっています。是非お店に来店の際見てみてください。

スタイリスト山邉