中世ネコのくらし装飾写本でたどる

表紙を見たとき、美術館で展示のお知らせかと思いましたらネコの本の紹介でした。マルセイユ版タロットのような中世ヨーロッパネコの絵に惹かれて「中世ネコのくらし 装飾写本でたどる」を購入しました。

この本は大英図書館の中世文章コレクションからイラストを集めらた5世紀〜16世紀頃の中世ヨーロッパで制作された写本に描かれてきたネコたちのくらしや物語が紹介されています。写本はたびたび飾り文字や挿絵が描かれ、装丁に豪華な装飾がほどこされたものも制作されており、その美しさは現在も魅了し続けているとのこと。その写本に出てくる中世のネコは大切なペットとして、時には話の賢いキャラクターや、悪魔の化身として様々な姿で表現されています。中世のネコの生活の様子や物語のネコが登場する逸話の絵や文章を読んで、現在とは異なるネコの描き方、中世におけるネコのくらしや人間との関係性がときに残酷な扱いに驚くこともありましたが、中世ネコのさまざまな歴史を知ることができました。写本はヤギや羊などの動物を材料とする羊皮紙に書かれることが多かったとのことで、本がその雰囲気を感じられる風合いのある紙でできていて図版の色味がとてもきれいです。3月6日に販売されたばかりです。興味がありましたら是非。

スタイリスト山邉

追記

猫好きの方はご存知の方が多いかもしれませんが、本は神保町にある「猫本専門 神保町にゃんこ堂」で購入しました。こんな本屋さんがあるなんて知りませんでした。ホームページを見ると去年10周年を迎えたとのこと。常時600種類、2000冊猫本がありこの10年様々なイベントをやられていて、すごいお店でした。お店に着いたときは、えっ?!ここ?と思う小さな本屋さんで入ったら、ねこの本であふれていました。本を見ていたら先客の修学旅行の学生さん達に神保町の本屋さんの魅力を紹介していた店主さんは、本を購入したらもっと立ち読みしてっていいんだよーと声をかけてくれる大らかな方でした。

本を購入すると、くまくら珠美先生デザインの「オリジナルブックカバー」がついてきます。神保町にゃんこ堂も興味がありましたら是非。